故中山英雄先生を悼む
合唱団「道」団長 内田正則
合唱団「道」顧問・前指揮者の故中山英雄先生(90歳)は、去る2024年7月12日永眠されました。謹んでご報告申し上げます。
中山先生のご逝去に接し、合唱団一同悲しい思いでいっぱいです。
去る6月7日当団55周年定期演奏会舞台では、アンコール曲「道」「百万本のバラ」を中山先生から特別に指揮をしていただき、私たちは心打たれる感動を受けることが出来ました。あの時の素晴らしいお姿が思い出されます。
今でも笑顔で指揮棒を振って、みんなの前で熱くロシア民謡を語ってくれる機会が訪れるのではないかとの思いがあります。
中山先生は1985年から長年にわたり当団の指揮をとっていただきました。
その間毎週水曜日の練習会、毎年の演奏会、合宿をはじめロシア演奏旅行等数多くのご指導を受けました。
合宿団「道」をここまで育ててくれたのは、敬愛する中山先生のお陰であり、心から感謝しております。
これからも音楽を愛する思いを大事にしていきたいと思っております。
中山先生ありがとうございました。
以下は中山先生が亡くなられる10日前に合唱団「道」にお寄せくださった手紙になります。
小坂幸世先生 清水一成先生 二宮悠太先生 森陽介先生 合唱団「道」団員の皆さまへ
中山英雄 2024 年 6 月 24 日
~ 感謝を込めて ~
神奈川県立音楽堂やみなとみらいホール(大ホール)での定期演奏会の数々。団員の皆さんと共に行ったロシア演奏旅行。「アムール河の波」や「バイカル湖のほとり」を現地で歌った感激。
そして、道草コンサートでは、和やかな雰囲気の中、いつもの練習や公演とは違う一面を発見し驚いたものでした。思い出は尽きません。~「道」との出会い~
北川剛先生の指揮する合唱団「道」のコンサートでの皆さんの「うた」にはいつも心あたたまるものがあり、感激の連続でした。アコーディオン伴奏者としてお呼び下さり即刻幸せな関係がスタート。そして北川先生退任後は、後継指導者に指名してくださって今に至っているわけです。~ロシア演奏旅行~
楽しかったロシア演奏旅行は観光も兼ねて行われ、ロシアの人達の生活や文化に触れ学ぶことの多いものでした。当地での感激の数々は、私たちの血肉の一部として体内に取り込まれ、ずっと生き続けていくことと思います。
演奏旅行での皆さんの働きぶりは、その準備段階から用意万全で、お土産の購入、美空ひばりの歌った「一本の鉛筆」のロシア語訳詞付きの楽譜(ロシア語訳詞児島宏子)作成、帰国後の報告演奏会の成功、総括文書のまとめ等にも私は目を見張りました。「道」の皆さんには新旧団員の支え合いや協力なども全く素晴らしいものがあります。私が合唱団「道」の皆さんを心から尊敬するのもそういうところにあります。~6 月 7 日 定期演奏会~
久しぶりに横浜の地を訪れ、「道」定期演奏会のアンコール曲「道」(ノヴィコフ作曲)を岸本力氏と一緒に演奏できたことはこの上ない喜びでした。この曲のタイトルから合唱団の団名が決められたことの運命的なできごとにも胸が震えます。
団員の皆さんの前に身を置いた途端、一瞬にして皆さんと共に演奏していた昔に戻った気がしました。何とか無事に2曲の指揮ができたのも皆様の暖かなお気持ちがあったればこそです。ありがとうございます。~最後に~
6 月 7 日の合唱団「道」55 周年コンサートの大成功おめでとうございます。
また、お招きを下さりアンコール 2 曲を指揮するという機会を与えていただいたことについては誠に嬉しく感謝を申し上げます。私が退団してから今日までの時間差は直ぐに無くなったように感じられて、懐かしさが蘇ってまいりました。
「道」の更なる発展を願い、祈りながらお礼の言葉といたします。
以下はピアノ奏者及び指揮者として長年中山先生を支えられた小坂先生の言葉になります。
中山先生に感謝を込めて
昨年、合唱団「道」の54周年定演の打ち上げの際に、中山先生がご自身のお言葉で、ご病気の事と今ある時間を奥様、智美様と大切に過ごされているご様子を改めて知りました。
その後いつも中山先生の事を想っていたのは、合唱団「道」の皆さんであり私も同じでした。
6月 7 日の55周年の定期演奏会の舞台で「道」と「百万本のバラ」の指揮をして頂けた事は嬉しく、感激し、有難く「奇跡」神様からのギフトであったと思います。
中山先生の感謝と思い出は限りなくあり、言い尽くせないのですが少しだけ記させて頂きます。
ロシア演奏旅行で、毎朝中山先生はバスの中で何かしら面白いギャグを飛ばして私達を笑わせて下さりました。見知らぬロシア人のお客様の前で演奏する時もいつも穏やかに笑顔で指揮の下、私達は安心して演奏をする事が出来ました。日本人墓地の前で、バイカル湖の船上でアコーディオンを弾いて下さり、自ら大きな声で歌って下さりました。合宿では、夜遅くまで先生のアコーディオンで歌え、なんと贅沢な時間だったか改めて思い出します。そして全曲、全調で弾ける先生は素晴らしいなと感激しました。
上郷森の家での合宿時、中山先生と青山先生と3人で話している時に青山先生が中山先生に「生涯現役で(道の)指揮をして下さい。」と話されました。中山先生は笑顔で頷かれ「青山先生僕の後はヨロシク♬」と3人で笑いあったのを、先月の舞台上で思い出し涙しながら先生の指揮で歌いました。 中山先生は正に青山先生とお約束した通りに、生涯現役で合唱団「道」を指揮して下さりました。
そして沢山のロシア、ウクライナ他の合唱曲、伴奏の編曲を制作して下さり有り難うございました。私達は大切に歌い継いでまいります。これまで有り難うございました。
どうぞ天国では青山先生と楽しくお話しなさってください。
いつか先生の故郷の四国のお寺を、「喜びの歌」を歌いながら巡ってみたいです。
最後に55周年の舞台に中山先生に付き添い、お連れ下さった奥様と智美様に心からお礼を申し上げます。小坂 幸世
団員プロフィール
- 運営委員会です。団長に加え、各パートから2・3名の代表者により構成されています。
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